犬の散歩時間は?そもそも散歩って何のため?

 犬を迎えるとき、飼い始めたときに気になるのが、散歩について。犬を飼ったら散歩が必要ということは、何となくイメージがあると思います。ただ、実際「どのくらい」の時間行けばよいのか、わからない方は多いと思います。よく小型犬は30分、大型犬は1時間程度で、それらを1日2回すると良いと言われています。ただ、「うちの犬の場合はどうなのか」「そもそも散歩って何のために行くものなのか」気になりますよね。
 今回は、犬の散歩の在り方について解説します。

犬の散歩画像

まず、「犬の散歩」に決められた時間はありません。これは、子犬/成犬/老犬といった年齢のステージや、犬種によって求められる散歩が異なるからで、例えば小型犬といってもジャックラッセルテリアなどの犬種はかなりの運動量が求められることが多いです。また、ジャーマンシェパードなどの大型犬といっても、高齢になれば必要となる時間は少なくなります。
このように犬の散歩には、明確な決まりが無いため、そもそも犬の散歩は何のために行くものなのか?ご自身の犬にはどのくらい必要なのか?を考える必要があります。

そもそも犬の散歩の大きな目的は、「犬の運動欲求、社会的欲求を満たす」ということです。

 犬は、食肉目(ネコ目)イヌ科の動物で、もともと狩りをして獲物を捕らえる生活をしていました。その習性から、匂いを嗅いで獲物(食べ物)を探したり、動くものを目で見つけたり、追いかけたりする行動があります。そのため、動きたいという本能的な欲求を生まれながらにして持っている、ということになります。また、社会的欲求というものは、「色々なものを見たり聞いたり、触れたり、匂いを嗅いで確認したりすること」の欲求です。もちろん「飼い主や他の犬等とのコミュニケーション」という意味も含まれます。

犬がマーキングしている写真

犬は、縄張りを持つ動物として、匂いを嗅いで他の犬のオシッコやウンチなどの臭いを確認する行動があったり、群れで生活する特徴があるので、他個体との関わりを求めたりします。

 さらに、人と一緒に生活するという面において、とても重要なことになりますが、色々な物や音、人や犬など様々なものに慣らす=つまり「社会化」のためにも散歩は必要だということです。

【 社会化 】
 これから生活していく中で、経験するであろう様々なこと(人や犬と出会う、足ふきや爪切りなどのケアをされる、病院へ行く、、等々)に対して過剰な反応をしないように慣れさせたりして、社会で受け入れられる適切なふるまいを身に着けること。

 社会化不足は犬の問題行動の原因となります。また、欲求不満な犬は、吠え、イタズラ、噛みつきなど人との生活で困ることが引き起しやすくなります。このようなことから、犬のため、また人と一緒に幸せに生活する上で、散歩は必要なものと言えます。