らくらくハーネスに込めた開発者の思い

当然ですが、犬には運動が必要です。しかし、仮に広いお庭で毎日運動ができたとしても、彼らは社会性のある生き物ですから、散歩に出て匂いを嗅いだり、他の犬とコミュニケーションをとる機会を持たせることが必要です。つまり、犬にとっての『散歩』は、犬の社会的な欲求を満たすためにとても重要なことと言えます。

犬たちは、気持ちに素直な生き物。散歩中に気になる匂いがあったり、何かが落ちていれば、そこまで必死になって行こうとします。しかし、近づいても平気なものもあれば、危険なものもありますから、飼い主さんはリードを使いながら犬の動きをコントロールする必要が出てきます。これは、とても疲れる作業のため、散歩が億劫になってしまう人も少なくないでしょう。さらに、犬によっては、コントロールされる度に、体に負担がかかるため、散歩が嫌いになることもあります。

それならいっそのこと、リードを外して歩いたら? などと思わないでください。リードは、人社会で散歩をする犬にとっての命綱。そして世の中には、犬アレルギーの人や、犬が嫌いな人もいますから、飼い主として公共の場所でのマナーを守る必要があります。

つまり犬との散歩では、人がお散歩を続けたくなり、さらに犬の体に負担がかからない、お互いが“らく”になれるアイテムが求められているのです。

特に子犬の頃は、骨格が未成熟で体が柔らかいため、極端に体を圧迫してしまう道具は使わない方が良いといえます。しかし、小さな首輪になるほど細いため、気道や食道を圧迫し、咳き込んだり酸欠の原因にもなります。もちろんこのような事態は、引っ張りの強い成犬でも同様に起きます。

そこで、首輪ではなく、体を覆っている胴輪(ハーネス)をつかう選択肢が挙がります。これによって、首を圧迫するなど、犬の体に過度な負担をかけることを避けることができます。

しかし、ハーネスを装着した場合、どこにリードをつけるかが重要です。一例として、ソリを引く犬であれば、リードは背中から後方につけます。その方が、犬が前に進もうとする力が、目一杯ソリを動かす推進力へと変化するからです。つまり犬との散歩で背中にリードをつけるハーネスを使うと、犬が前進する力は、全て人に伝わることになるのです。

 

つまり、犬のためを思ってハーネスを使用しているのはいいけれど、背中にリードを装着すると、人は強い引っ張りを感じるようになり(決して犬たちは、人のことを引っ張ろうとしているわけではありません)、結果的にお散歩が億劫になり始めるのです。

この事態の解消するためには、ハーネスの背中部分にリードをつけるのではなく、胸の前にリードを付けることです。それによって、今までのように強く引っ張られることも減り、ほんの少しの力で犬の進行方向が変えられることで、人が“らく”に散歩ができるようになります。

体重が35kgのカネコルソですが、犬と遊びたく近づこうと必死です。この時に、人を引っ張っている力は約22.6kgとなります。そこで、らくらくハーネスを装着し、胸の前にリードをつけると・・・。

引っ張る力は約22.6→7.4kgに減りました!!

つまり、らくらくハーネスを装着すると、引っ張る力がおおよそ1/3程度に軽減される結果となりました。ということは、人にかかる負担が減ると同時に、犬の体にかかる負担も軽減されているということになります。

このように、らくらくハーネスを使用するだけで、強く前に進もうとする力を減らすことができるのです。